➌ホワイトカラー生産性の本質 | メイン | 11月17日;リリース;連載;出す;7回目(シリーズ;出す・活かす・伸ばす)

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➌ホワイトカラー生産性の本質

1.ホワイトカラー(ナレッジワーカー含む)の目的的3区分

 ナレッジワーカーの生産性は一般的には、労働生産性で評価され、分母の従業員数は労働時間で換算される。ここでは、結果として単に労働生産性を問うのでなく、ナレッジワーカーの生産性の本質に沿った指標とは何かについて検討するものである。
 ナレッジワーカーの業務はその産出(アウトプット)の目的から、3つに大別される。一つは戦略的な業務である。どのような課題を設定するかである。戦略のミスは戦術ではカバーできない。2つ目は管理的な業務である。意思決定された課題に対し、目標や時期を計画し、進捗管理を行い、無駄なく効果的に課題を進めていく業務である。3つ目は処理的な業務である。処理といっても全く作業的な業務をいっているのではなく、戦略課題を遂行するプロセスの一つである。競合他社比較分析やCS満足度調査、改善そのものである場合もある。

 

2.戦略的業務の生産性

 ナレッジワーカーのアウトプットは目的及び目標が明示されていることが前提になる。目的のないところにマネジメントは存在しない。何故、その戦略課題が設定されたのか、その背景と意味は何か、何が取捨選択されたのか、その課題を達成すると何が良くなるのかが組織として共有されることで成果は初めて実現される。

 組織メンバーが理解も納得も共感もしていなければ、その戦略課題はやる前から実施されないだろう。よって、戦略課題の組織コンセンサスの程度が測定されることになる。課題の中味つまり戦略を評価することではない。厳しい目標でも、立てた戦略に迷いなく実践されるかどうかを問うのである。挑戦する場を与えることがナレッジワーカー生産性向上の基本条件となることを忘れてはいけない。

 

3.管理的業務に関するナレッジワーカーの生産性

 プロジェクトを実施したがうやむやに終わってしまったという経験は誰にでもあるだろう。こうした経験にナレッジワーカーの生産性は支配される。徹底してやりきる習慣つまり風土のないところでは、次の課題も遂行することはできない。よって計画性を問うことがナレッジワーカーの生産性を問うことであり、徹底実践することがナレッジワーカーの生産性を向上させるのである。

 

4.処理的業務に関するナレッジワーカーの生産性

処理的業務の多くは基本業務と呼ばれるものである。受発注業務、経理業務、入出庫業務など多くはルーティンで発生する業務である。処理的業務は、質量ともに計画されたアウトプットを出したかどうかを問う業務であり、仕様チェック項目に対して何個クリアしたか、目標量を到達したかなど、より具体的に生産性が問われる業務である。処理的業務の多くは、システム化やアウトソーシングなど手離れをしている業務も多く、戦略的、管理的業務より生産性が問われている。

 

5.組織生産性と個人生産性
 機械は使うほどに劣化するが、人の場合は、失敗など経験すればするほどそのノウハウが人に蓄積される。人に成果が蓄積される特性を持つ。
また、戦略課題がブレークダウンされることで個人への責任分担が具体的な業務として明確になっていく。人に成果が委ねられるのである。
ナレッジワーカーの生産性とは、目的(戦略課題)によって成果が可変する。よって、目的を明確にし、組織として共有し、そこから立てられた計画に対して、実行されたかどうかを評価する人間中心のシステムであることを忘れてはならない。
戦略性を問うアウトプットの業務は、組織としてのコンセンサスが生命線であるため、組織として測定する必要がある。そして、課題が計画されブレークダウンされ具体的な業務になるに従い、個人としての責任分担が明確化され、結果個人のスキルが問われることになる。また、その課題がどのような背景、目的で選択・設定されたものであるかを共有することで正しく処理することができる。例えば、クレーム処理はクレームの応対をすることではなく、同じ原因を二度と起こさないような仕組みを如何に構築するかであり、同時にクレーム顧客をファン化させることが目的であることを共有することで初めて生産性を問う価値が出てくる。

(以上、タイム・キャピタル・マネジメント(TCM)テキスト宮川雅明より)

 

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